歯列矯正の専門医院30年の実績 中久木矯正歯科センター

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近代歯列矯正の歴史とツイード −アメリカ20世紀初頭の矯正発展期−

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― ツイードの肖像画と共に −

Charles H. Tweed International Foundation   Tucson, Arizona

 

歯の一本一本に矯正装置を取り付けて歯を動かす現在の矯正装置のスタイルが考案されたのは、1900年代初期のことです。一般的に矯正装置(braces)と呼ばれるものは、各々の歯に取り付ける装置(エッジワイズ・ブラケット)とそれに結び付けて歯に力をかける針金(アーチワイヤー)に分けられます。この仕組みを考案したのは、アメリカ人のEdward H. Angle(アングル)(1855-1930)という人です。今を遡ること九十年以上前のことでした。

この仕組みはそれぞれの歯を三次元的に、個別に意図するように動かすことができる点で非常に優れており、現在に至るまで多くの人達により改良を受けながら使われ続けています。矯正装置といえばこの形のものを指すほどです。この他にもアングルは、第一大臼歯と呼ばれる奥歯の咬み方に着目し、不正咬合を分類したり(アングル分類)、現在のアメリカ矯正歯科医会(American Association of Orthodontists)の母体となる「National Orthodontic Society」を設立し初代会長となるなど、現在に続く近代矯正の発展に多大な貢献をしました。この時期矯正歯科はアメリカのアングルを中心に急速に発展しました。多くの優れた研究が成されたのもこの頃です。アングルが「歯科矯正学の父」と呼ばれる所以です。彼が最初に矯正治療を行ったのは1878年ですが、アメリカは彼の功績を称え、当時の彼のラボ(診療室及び研究室)をスミソニアン博物館に再現し展示しています。

アングルはアメリカ国内3箇所に教育研修機関とも言える、「The Angle School of Orthodontia」を設立しました。1900年のことです。ここにはアメリカ各地から新しい矯正治療を志す人達が集まり、150人余りの卒業生を輩出しました。

このページのタイトルにあるツイード(Charles H. Tweed)は、1895年、アリゾナ州フェニックスに生まれました。デンタルスクールを卒業後、アングルに出会ったツイードは、矯正治療を志しカリフォルニア州PasadenaにあったAngle Schoolに入ります。1927年のことです。この時アングルは、Pasadenaに居を移していました。

ここで学ぶ間に、ツイードは、アングルから絶大な信頼を得るに至ります。ツイードはアングルの考案したエッジワイズブラケットとレクタンギュラーワイヤー(角矯正線)を使う矯正技法(以降エッジワイズ法と呼ぶ)の良き研究者であり、実践者となりました。

人間の顔立ちや体格がそうであるように、歯や顎の形、大きさも親から子へ遺伝する要素があります。アングルより前の時代、矯正治療はヨーロッパ中心に発展してきました。可撤式装置(入歯のように患者が自ら装置の付け外しを行う矯正装置)を用いる治療が主でした。患者の成長に合わせて装置の形を変えることで、成長の誘導も行われていました。当時ヨーロッパは人種、民族が各々の国家を作っていたため、それぞれの顔立ち、歯並びに合わせた治療方法が主体でした。一方で、アメリカ大陸が発見され、そうした諸国からさまざまな人種が新大陸に移り住んだのは周知の通りです。さらにアフリカからは、これも様々な地域から黒人が奴隷として大陸に渡りました。そしてアメリカでは、それぞれの母国では考えられない程に異人種、異民族間の交配が行われ、それぞれの形質を受け継いだ子孫が生まれました。白人黒人の中にも民族によりさまざまな形質があります。小さい顎と大きな歯の遺伝子を受け継いだ子供は乱食い歯(叢生)になる可能性が高まるでしょう。逆のパターンでは歯の間に隙間ができるかもしれません。メンデルの法則にある通り、親の持つ形質、遺伝的要素は、その子供に現れなかったとしても消えることはありません。隔世遺伝として孫の代に現れたりもします。まさに人種のるつぼと化したアメリカで子孫が数を増やすにつれて、ヨーロッパから持ち込んだ従来の矯正手法での治療に限界が出てきたのではないかと私は考えます。歯の一本一本に装置を取り付け、悪い位置にある歯に三次元的にアプローチして歯並びを直す。アングルの革命的考案は、アメリカだからこそ生まれたものかもしれません。後に地球規模で人々が移動する時代となり、このアメリカ的な治療方法が世界に広く普及したのは自然な流れといえましょう。

つづく>>

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